エレクトロニクス・フィーバー

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NJM2073 革命ヘッドホンアンプ

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LM380 革命アンプというのが一時期話題になりましたが、これは NJM2073 革命ヘッドホンアンプと呼びたいです。

NJM2073 を使ってヘッドホンアンプを作って使い物にならなかったとか、同ICを使ったヘッドホンアンプの市販製品の音質がひどいとかいう記事が以前ちらほらありましたが、どうも皆さん NJM2073 のデータシートの記述

ここで注意すべきことは、――利得を下げ過ぎると高域の位相回りにより発振することです。電圧利得の低減は26dB ( 20 倍 )程度が限界であり、発振する場合はCx’の発振止めが必要です。 Cx’の値は各アプリケーション毎に検討願います。

を見て、どうやっても 26dB までしか利得低減できないと思いこんでいる人が多いように思います。 そうではなくて、ここで重要なのは、Cx' を入れれば発振せずにユニティゲインまで利得を下げられるということです。

実験したところ、1000pF くらい入れれば安定して使えそうです。下の表はブレッドボードで実験した結果です。

容量 結果
100pF ×発振する
470pF ×発振する
680pF ○発振しない
1000pF ○発振しない
10000pF △発振しないが、ノイズが多い

音質はなかなかいいです(特にNJM2073でヘッドホンアンプを作った経験のある方からすれば…)。 しかし、ここまでやっても感度の高いヘッドホンではノイズが気になります。 アッテネーターを使うか、感度の低いヘッドホン限定で使えば実用になるでしょう。 また、ヘッドホンアンプでなく本来の目的であるスピーカーアンプを作るときにも、この利得低減方法は役に立つでしょう。