エレクトロニクス・フィーバー

プログラミングと電子工作で共有しようと思ったことを載せていきます

同じ品種の電解コンデンサの ESR はケースサイズで決まる

例えばぺるけ氏の アルミ電解コンデンサのインピーダンスとESR実測データ ではこのように述べられています。

50V耐圧の通常タイプと16V耐圧の低ESRタイプのESRはほぼ同じです。16V耐圧の低ESRタイプは100V耐圧の通常タイプよりも劣ります。このように、アルミ電解コンデンサでは、耐圧が高いものほどESRが低くなるのです。

しかし、データシートからわかることをより正確に言うと次のようになります。「同じ品種の電解コンデンサの ESR はケースサイズで決まり、ケースサイズが大きほど ESR は小さい。同じケースサイズならば、耐圧が高いほど容量が小さい。同じ容量ならば、耐圧が高いほどケースサイズが大きい」

実際に手元にあった適当な電解コンデンサニチコン KMY のデータシートを見てみましょう。 6.3×11.5mm の特性を抜き出してみると次のようになります。

耐圧 容量 インピーダンス*1 許容リプル電流*2
10 220 0.40 245
16 100 0.40 245
25 100 0.40 245
35 47 0.40 245
50 33 0.40 245
50 47 0.40 245

もう一つ、10×16mm も抜き出してみましょう。

耐圧 容量 インピーダンス 許容リプル電流
10 1000 0.12 765
25 470 0.12 765
35 330 0.12 765
50 220 0.12 765

インピーダンスと許容リプル電流が、「本当に測ったのか?」と思うほど完全に一致していることがおわかりいただけるでしょう。

もちろん、品種による違い、つまり標準品か低インピーダンス品か、アルミ電解か固体電解か、といった違いにも大きく影響を受けることは言うまでもありません。 しかし品種の違いを比較する際には、「同じケースサイズ同士での性能がどう違うか」という観点にも着目しないと、特に高密度実装では足をすくわれる事になります。

*1:Ωmax/20℃, 100kHz

*2:mArms/105℃, 100kHz