エレクトロニクス・フィーバー

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3DプリンターでDIPピン矯正器を作った

この記事は 3DプリンターでDIPピン矯正器を作った | elchika の転載です


DIPパッケージのICは、足が少し広がった状態で売られています。 DIPパッケージ(新日本無線より) しかしこの状態では、基板上のDIPのフットプリント、DIPソケット、ブレッドボードなどに挿入することができないので、少し縮めて真っ直ぐにしてやる必要があります。 指で押したり、ペンチで挟んだり、机の角に押し付けたりと、手でやることもできますが、真っ直ぐにならなかったり、力加減を間違えて曲げすぎてしまいがちです。

専用の工具「サンハヤト ピンそろった」や キャプションを入力できます

HAKKO DIPLINER」という製品もありますが、 キャプションを入力できます 結構なお値段がします。

なので、3Dプリンターで自作してみることにしました。

試作第1号

「ピンそろった」のように挟む構造が使いやすそうですが、部品点数が増えるので設計も製造も面倒、ということで、1ピース構造にできないかと考えました。そこで、溝に差し込んで滑らせることでピンを曲げればいいのでは、と思いつきました。実はこの時は、 HAKKO DIPLINER のことは知りませんでした……。 キャプションを入力できます 試作第1号を作りましたが、残念ながらうまくピンをまっすぐにできませんでした。 1. 溝の横幅を完成品の幅と同じにしたが、ピンの弾性変形により、少し戻ってしまうため真っ直ぐにならない 2. 溝の出口ですぐ外に出る形状にすると、後ろから力がかかった状態で宙に浮いてしまうため、後ろの方のピンが斜めに曲がってしまう

試作第2号

キャプションを入力できます 試作第2号は第1号の反省から、溝の狭まった部分を中央に配置し、押し出した後に遊びとなる空間ができるようにしました。また、溝の幅を完成品より狭く 7.5mm としました。 使ってみたビデオ これはこれでうまくいきましたが、まだ不満点がありました。 1. 押し込むときの摩擦力が強い 2. 真っすぐより少し内向きになってしまう

試作第3号

キャプションを入力できます 試作第2号の問題の原因は、幅が狭すぎることと、最も狭い部分の全長が長過ぎることです。 そこで、幅を 7.6mm とわずかに広げ、最も狭い部分を1点だけとし、また FreeCAD のロフト機能で滑らかにつなぐことにしました。 結果は大成功です。まだちょっと摩擦が強い感じがありますが、使っているうちに金属のピンがPLAを削ってしまうので、これ以上幅を広くするとすぐにユルユルになってしまうでしょう。

ピンが真っ直ぐになるのが気持ちよくなってしまい、気がつくと手持ちのDIPを10個以上突っ込んでしまいました。 この第3号のSTLファイルは thingiverse にアップロードしています。皆さんも是非プリントして使ってみてください。