エレクトロニクス・フィーバー

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Qucs の簡単な使い方まとめ

Qucs はフリーの EDA ツール(回路設計・シミュレーター)です。
Qucs project: Quite Universal Circuit Simulator

無料の EDA ツールには他に LTSpice が有名で、今までこれを使っていました。
しかし、LinuxEDA がしたくなり、Windows でしか動作しない LTSpice の代わりに使用してみることにしました。

インストール

トップページから

Development (unstable) snapshot: 0.0.18.130703

をダウンロードして実行します(大体の人はこれではなく安定版の 0.0.17 を使ったほうがいいでしょう)。
インストール中に他に必要なプログラムをインストールする選択肢が出ますが、FPGA集積回路がしたいわけではないので Verilog と FreeHDL は外しました。

メニューが英語なので、File | Application settings から、言語を日本語、フォントをメイリオ 10 pt にしました。
言語を日本語にすると新規作成して保存したファイルが開けなくなる重大なバグがあります。英語のまま使ってください。
[7/20追記]Quite Universal Circuit Simulator download | SourceForge.net から入手できる 0.0.18 140611 で修正されたようです。日本語で使いましょう。

回路作成

部品の配置や配線は大体直感的なので省略します。
f:id:mtyk1:20140517150808p:plain
ただし、部品モデルの選択が初期画面には出てこないので、少し説明します。
メニューの「ツール」|「部品ライブラリ」で部品選択のダイアログが開きます。左側のリストから目的の部品名をダブルクリックすると右に説明が出てきます。右側に出てくるシンボルをドラッグアンドドロップすれば配置できます。
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シミュレーション

シミュレーションの設定も部品から選択します。
まずは過渡解析のため、「シミュレーション部品」|「トランジェント解析」を配置します。
スタート・ストップ時刻等を設定したら、歯車のアイコンでシミュレートを開始します。

ところで、自分の場合以下のエラーが出ました。

line 14: syntax error, unexpected Identifier, expecting '"'

エラーが出ている行を調べるため、「シミュレーション」|「最後のネットリストを見る」でネットリストを表示します。
14行目は以下のようになっています。

Vac:V_IN IN gnd U="1 V" f="1 KHz" Phase="0" Theta="0"

最初何がおかしいのかわからなかったのですが、エラーメッセージで検索すると、f="1 KHz" の箇所が問題らしいことがわかりました。Qucs では大文字・小文字を区別するため、単位は KHz ではなく kHz でなくてはなりません。LTSpice とは違うところなので、注意しましょう。

無事解析が終了すると、dpl という拡張子のタブが開きます。これはシミュレーション結果を表示するためのタブで、自動的に「図表部品」のパネルが開きます。
過渡現象のグラフを見たいので、「直交座標」を配置します。開いたダイアログの左下の「データセット」のリストをダブルクリックすると、その変数が「グラフ」のリストに追加されます。
…ところで説明していませんでしたが、ここに出てくるのは回路図で「ワイヤのラベル」としてラベルを付けた配線だけです。
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この間に回路に問題があるのが見つかったりいろいろあったのですが、無事表示されました。
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